参院選2019 ① 自民党本部が配布した謎冊子と差別的イラスト - ネトウヨ化がとまらない自民党の闇の闇 - 昨年四月に沖縄市でばら撒かれた中傷ビラと同列の悪質さ
左が、昨年四月に沖縄市の市長選挙でばら撒かれた謎の中傷ビラの挿絵。右が、今回の参院選対策として自民党本部が所属する議員に配った冊子の挿絵。オール沖縄を批判するやり方も、挿絵の描き方も、同じ情けないほど悪質なやり口である。
- 自民党が謎サイトのコンテンツを冊子化して配布
- 謎サイト「テラスプレス」と自民党本部との関係は !?
- オリジナルの謎サイトには存在しない差別的イラスト
- 昨年四月の沖縄市長選でも拡散された差別的イラスト
- 正体不明の粗悪サイトが社説と同様「説得力がある」!?
- そんな自民党のフェイクニュース対策がさらなる闇でしかない件
自民党本部が、所属する国会議員に25部ずつ配布したという冊子が話題となっている。
正体不明の怪しい右派系闇ネットサイトのコンテンツをまるっと冊子にして配布。参院選に向けて参考資料にしてくれというのだ。
自民党が謎サイトのコンテンツを冊子化して配布
2019年6月21日 金曜 午後7:59
21日の採決の瞬間の麻生大臣の表情。
老後2,000万円問題をめぐって、野党は麻生大臣の問責決議案と不信任決議案を提出したが、21日、どちらも否決された。
来週の会期末に、参院選も近づいている中、自民党が所属議員に冊子を配布。この冊子が、今、物議を醸している。
「フェイク情報がむしばむニッポン トンデモ野党とメディアの非常識」
「オワコンは鳩山、菅、小沢の各氏だけではなく、野党そのものとさえ言いたくなります」
極端な主張に、出版元は正体不明。謎が謎を呼ぶこの冊子が、夏の参議院選挙を前に、物議を醸している。
7月、戦いの火ぶたが切られる参院選。この夏の決戦を前に、自民党が所属議員に配布した冊子が波紋を広げている。
「トンデモ野党のご乱心」と題された第1章では、野党を徹底批判。
「立憲民主・枝野代表の無責任をわらう」
さらには、先日、選挙を前に国民民主党に合流した小沢一郎議員を「オワコン(終わったコンテンツ)」と表現している。
「オワコンは鳩山、菅、小沢の各氏だけでなく、野党そのものとさえ言いたくなります」
また、イラストも添えられているが、目がうつろなこの人物が枝野代表か。
第2章では、安倍政権に批判的なメディアを名指しで批判。
ところが第3章では一転...。
「安倍首相ほど精力的に外交をこなしている首相はこれまでいないでしょう」
精悍なポーズを決めた男性が安倍首相?
しかし、この冊子を作ったとする「テラスプレス」のウェブサイトを見ると、発行元は、正体不明のネットサイトだった。
http://www.jterrace.press.com/
terracePRESS | テラスプレス – 報道では見えない事実に光を –
この冊子を、所属する国会議員に25部ずつ配布した自民党。
同封された紙には、「同書は報道では語られない真実を伝える内容となっています。参院選に向けた演説用資料としてご活用ください」と書かれていた。
では、受け取った側の議員はどう思っているのか。
自民党・武井俊輔衆院議員は、「率直に言って、非常に残念な内容だなと思いました。国民の皆さまに間違ったメッセージを与えてしまうのではないかと懸念している」と話した。
自民党中堅議員「こんなの、配るだけで票が減っていくよ」
野党からは。
「議員に配ったんですか? え!? 開いた口がふさがらない。それ政権与党のやることなんですか? これじゃ誹謗中傷をわれわれはやって選挙をやりますからって、宣言しているようなもの」と話した。
FNNの取材に、
自民党本部は「ほかの大手新聞の社説やコラムのように説得力のある内容であることから、参考資料として配布したものである」とコメントしている。
※ 終わってるコンテンツ、オワコンとはまさにこれだろ。
謎サイト「テラスプレス」と自民党本部との関係は !?
Buzzap! の記事が指摘しているのは
- ① ネット検索に上がらない仕様 ← 拡散目的でない
- ➁ アフィ広告や有料記事など皆無のサイト ← 収益源ゼロ
- ➂ 年間150ものオリジナル記事 ← プロの仕事
- ④ 平日フルタイム、千代田区で稼働 !?
- ➄ 個人や団体の記載なく連絡先もない
拡散されてもおらず、連絡先もない闇サイトに、自民党本部が連絡をとり、記事を冊子化することが可能なのは、
むしろ、このサイト自体が自民党のコアな関係筋によって運営され、このサイト自体が、党内冊子を作るために存在したとみるのが妥当であろう、というわけだ。
一種の情報ロンダリングである。
オリジナルの謎サイトには存在しない差別的イラスト
さらには、この謎サイトの内容が、選挙のたびに沖縄にばら撒かれる怪文書とまったく同質で、ネトウヨもびっくりの、ひどい沖縄デマ。すり替えと偽造の産物である。
(魚拓 http://archive.is/vE5ca )
2018.08.30
しかも、興味深いのは、上記のリンクを確認していただければわかると思うが、オリジナルのテラスプレスのサイトには枝野氏を描いたと思われる挿絵は存在しない。
自民党本部が出版した冊子のみに、よだれをたらし、視線がどちらかに傾いているように描かれた人物の挿絵が掲載されている。
つまりこの悪意にみちた挿絵は、明らかに出版にあわせて「自民党本部」側が制作したイラストである。
ここで留意したいのは、そのイラストの差別的な側面だ。
両目の焦点がずれる斜視は、個人の個性でありながら、長年にわたる根深い偏見と差別を受けてきた。
綾瀬はるか、優香、オダギリジョー…斜視の芸能人7人! 斜視はどのような印象を与えるのか? (2018年6月3日) - エキサイトニュース
なぜ「自民党本部」は、こうした人間の身体的特徴への偏見と差別を助長し利用するような、きわめて悪質なイラストを故意に使用するのだろうか。
昨年四月の沖縄市長選でも拡散された差別的イラスト
このような挿絵ですぐに想起されるのは、
昨年4月22日投開票の沖縄市長選挙の際に拡散された怪文書ビラである。
自公維新推薦の現職桑江朝千夫氏に、前市議の諸見里ひろみ氏が挑んだこの選挙で、大量にオール沖縄と諸見里氏を中傷する謎のビラがばら撒かれた。
やんばるぐらし on Twitter: "【拡散希望】4月22日投開票の #沖縄市長選挙 に絡み
しかし、この悪質な中傷ビラと差別的なイラストがネットで問題化されると、すぐに現職の桑江市長は関与を完全否定した。
そして更にボギー手登根らにいたっては、諸見里氏の側がこの中傷ビラを拡散しているというデマまで流していたが、
#沖縄市長選挙 における #諸見里ひろみ 候補への卑劣極まる中傷ビラ続報。
— やんばるぐらし (@yanbarugurashi) April 16, 2018
①デマの殿堂こと #ボギーてどこん 氏、ひろみ陣営の自作自演説を主張
②著名デマアカウント「話題にならない」、自作自演説を主張
③ #くわえ朝千夫 公式アカウント、自作自演説ツイートに「いいね!」
終わってる😇😇😇 pic.twitter.com/QmrwU1pneI
この二つの、オール沖縄への誹謗中傷と、差別的で悪質なイラストを並べて見ていただきたい。
もはや沖縄選挙定番の、カネのかかったデマと中傷の物量作戦。
オール沖縄を批判するやり方も、イラストの発想も、並べても区別がつかないほど、同様に悪質なやり口である。
正体不明の粗悪サイトが社説と同様「説得力がある」!?
参院選挙対策の為に、こんなネトウヨ陰謀ビラと同じレベルのデマ冊子を制作し、議員に配布する「自民党本部」は、いま一体、どうなっているのか。
なんのリンクも記載もない正体不明の謎サイトが「報道では語られない真実」を伝えているる、とか、「ほかの大手新聞の社説やコラムのように説得力のある内容である」などと公言する。
この国の与党は、すでに巨大なネトウヨ闇組織と化してしまったのではないか。
この自民党本部とは、
具体的には、自民党広報本部であるだろうが。
和田政宗が自民党広報本部副部長をやっているくらいだから、どんな広報活動かはお察しである。
そんな自民党のフェイクニュース対策がさらなる闇でしかない件
6月11日にこんなツイートをした小野田紀美参議院議員も、自民党ネットメディア局の次長であるが、
頂きました。後で読もう。 pic.twitter.com/WcVa6qcRLj
— 小野田紀美【自民党 参議院議員(岡山県選挙区)】 (@onoda_kimi) June 11, 2019
そんなネトウヨ自民党本部がすすめる「フェイクニュース対策」に、もう、気持ちの悪い暗い「闇」しか感じない。
情報通信戦略調査会ではフェイクニュース対策について。ミスは誰にでもある。フェイクニュースじゃなくてミスニュースなら仕方がないけど、信頼を保つためには誤情報の記事の同等かそれ以上の場所や分量で訂正記事をきちんとしないと意図的なフェイクと言われても仕方がないですよね。 pic.twitter.com/HbEqLO78ph
— 小野田紀美【自民党 参議院議員(岡山県選挙区)】 (@onoda_kimi) June 21, 2019
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