怪しい「よみがえり」歴史教科書 ~ 明成社『最新日本史』を採用の「幸福の科学学園」ならびに愛媛と福岡の県立高校とは !?
90歳代の元学徒に激オコされないとわからないほど、日本の歴史教科書検定はクズなんですか、そのクズな右翼歴史教科書を、なぜ愛媛県や福岡県の県立高校は採用しているのですか。
恥を知りなさい。
明成社が誤り認め修正へ
「明成社」の「歴史総合」教科書について
いったい日本の歴史教科書検定はどうなっているのだろうか。
そもそも、なぜこんな初歩的で禍々しい誤記だらけの「わが国」連呼の歴史教科書が、日本の教科書検定に合格するなどということがありうるのか。
文部科学省が検定結果を公表した2022年度の高校教科書のうち明成社(東京)の歴史総合が、沖縄戦の戦没学徒の慰霊碑「一中健児之塔」(那覇市)を「顕彰碑」と表記し、報道機関の指摘を受け「慰霊碑」に訂正申請する考えを示したことが1日、分かった。文科省によると、検定で修正を求める意見は付かなかった。元学徒らは「戦没者を英雄視し、戦争を美化することは許されない」との声明を発表した。
❌ 慰軍功を称え広く伝える「顕彰碑」と記述
❌ 学徒隊ではなく「ひめゆり部隊」と記述
怪しげな明成社とは
いったいこの「日本の歴史・伝統文化など「日本人の誇り」をよみがえらせる書籍の出版をしています」などと名を打つ「明成社」とは。ホームページを一見しただけでも、その怪しさは絶頂である。
しかも、公式サイトのどこを見ても企業概要ページが存在しないので、一体誰が代表者なのかもわからず、ただただ怪しげな愛国ビジネスの書籍紹介とメール送信欄と振込先が書かれているだけだ。
私立「幸福の科学学園」や愛媛県と福岡県の県立高校が採用
で、明成社が提供している「歴史総合」は公式サイトのどこにもない。
こんな怪しい出版社、明成社の「歴史教科書」を、ネトウヨならまだしも、いったい、どこの学校が教科書として指定するだろうか。日本史という学問は、妄想や神話ではない。これでは世界の笑いものであるどころか、実質的に受験勉強もできないだろ。
と、おもうが、なんと、
大丈夫か、愛媛県と福岡県は。
使用しているのは、救い難い皇国私立学校とカルト「幸福の科学学園」と並び、なんと名前を連ねるのは愛媛県と福岡県の県立高校である。
画像は akabishi さんから
ひでえな、これ。
2020年のレポートだが。
2020.08.20
学校採択の高校では、日本史科目については山川出版社のシェアが圧倒的に高く、次いで東京書籍や実教出版なども一部あるという状況になり、明成社は全国的にもほとんど採択されていない。
日本人の誇りを伝える?「最新日本史」謎の執筆陣とは
明成社の歴史教科書は、一体誰が書いているのか。
は???
歴史学者じゃないのか !!
執筆者は、渡部昇一・小堀桂一郎・櫻井よしこ・中西輝政・國武忠彦、他、18名。
明成社の「最新日本史」は、最新の日本史の研究どころか、懐古的な日本会議の歴史教科書といわれるが、いったいこの、明成社歴史教科書の執筆陣は、ほんとうに歴史学者なのか、確認してほしい。
日本人の誇りを伝える「最新日本史」(日B302)
渡部昇一の専門は英語学・英語文法史、DHCやチャンネル桜。小堀桂一郎の専門はドイツ比較文学で「日本会議」副会長。櫻井よしこ、と、まあ、その道で有名ではあるが、右派雑誌『正論』や『WiLL』の延長のノリで「教科書」まで作ってしまったのだ。
明成社「最新日本史」市販本版には巻頭に特別鼎談 「歴史とは誇りである-若者たちに美しい虹を見せよう」が掲載されているという。買う価値もなさげなので、冒頭部分だけでも読んでみる。
さて、みなさん。これが本当に「歴史」かどうか、さらには、若者に示すべき「美しい虹」かどうか、ざっとでも確認してほしい。
※ ちなみに、旧約聖書では虹 (rainbow) は神の武器放棄と和解の徴だ。神は人間と地上の動物に対して使った弓 (bow) を放棄し、その記憶を忘れないよう、放棄した武器 (bow) を和解の徴として雲の上に置いた。これが「虹」の語源である。愛国妄想の象徴などではない。(創世記9章8-17節) see. W・ブルッグマン『現代聖書注解 創世記』(1986年) pp. 156-157.
明成社「最新日本史」~ 歴史とは誇りである ~ 若者たちに美しい虹をみせよう
昭和五十七年、文部省の教科書検定によって「侵略」が 「進出」に書きかえられたとのマスコミの誤報 (註・これを誤報と主張するのは英文法専門家の渡部昇一) が発端とな り、中韓両国が外交問題として猛反発してきました。そ こで、宮沢官房長官談話が発表され、教科書の検定基準 に「近諸国条項」が新設されたことにより、ますます自虐的な偏向教科書が続出しました。そうしたなか、自虐史観や反日史観にとらわれない歴史教科書の発刊をめざして、歴史教科書央委員会(代表 村尾次郎) が発足し、村尾氏始め小堀桂一郎氏、朝比奈正幸氏らが著作者となり、昭和六十一年、高校用歴史教科書「新編日本史」が誕生し ました。
その後、学習指導要領改訂による二度の検定合格を経て、新たに渡部昇一氏 櫻井よしこ氏、中西輝政氏、國武忠彦氏らが著作者に加 わり、平成二十四年 (2012年) 三月、新しい「最新日本史」が検定合格しました。この教科書は、愛国心や道徳心の育成、 伝統文化の尊重などを明記した新教育基本法の教育目標 に基づくはじめての教科書となります。
「最新日本史」は、もっとも教育基本法の教育目標に即応し、日本人の誇りを伝える歴史教科書として世の評価を受けるべく鋭意編集されました。
新しい教科書の刊行を機に、編集関係者により、戦後の歴史教育の総括とあるべき姿について論じていただきました。
(編集部)
戦前と変わりないな。
愛国精神と誇りだけで「勝てる」と思い込んでいた戦前ニッポンだ。
愛国の「誇り」を重視するあまり、なんの事実にも基づかない報告と計画と見栄を積み重ね、虚構の「帝国」を作った。
慶良間での負け戦とは逆に、3月30日、ラジオ・トーキョーは、日本軍が早くも30隻の米艦船を撃沈し、敵の死傷者は3万3千名にもたっすると報じた。《写真記録「これが沖縄戦だ」(大田昌秀 編著/琉球新報社) 30頁より》
愛国妄想に依存するあまり、客観性と現実にたいする分析を著しく欠き、八原博通参謀も指摘したように、ついには勝利するのではなく、愛国と誇りのために死ぬことが目的となった。こんなことでは、そもそも戦争をする前から負けている、というものだ。
1945年5月5日 『最後の一人まで』 - 〜シリーズ沖縄戦〜
歴史とは、愛国妄想の感傷的な物語なんかではない。
客観的な事実の記録である。
懲りない愚か者たちは、子どもの人権と生命とをもっとも残虐に奪う「戦争」の真実を、なんとか真綿にくるんで舌触りのよい物語に書きかえ、再び教科書に載せようとする。しかしそれは同じことの繰り返して、防衛費に巨額の血税を注ぎ込みながらも、戦争をやりたがる前から既に敗北しているのである。
気をつけていただきたい。
子どもたちに教えたいのは、事実が子どもたちに与える力、歴史の英知である。
愛国妄想ではない。
愛媛県と福岡県の教科書採用について、関係者と地元のみなさんだけではなく、日本中が声をあげるべき時だ。
教科書ネットの俵氏作成。明成社発行『最新日本史』の「採択一覧表」(18.1.4作成)から。愛媛県・・・
— akabishi2 (@akabishi2) 2018年2月28日
で、歴史総合で明成社、日本会議はどうするんだろうね pic.twitter.com/lmIL93ZunN
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