TBS『教えてもらう前と後』の野村修也とは何者か

2017年2月5日

■ TBS『教えてもらう前と後』の野村修也とは何者か ■

ニュース・バラエティー番組の体裁で
その道の「専門家」を自称する人物が、
７年前の中国のデモの、たった一枚の写真をとりあげ
そこに写っていた「收回琉球、解放沖縄」の横断幕を根拠に、
「中国の狙いは沖縄」などと繰りだしてくる。①

えせ専門家にでも「教えてもらうと世界が変わる」のか ②
テレビのゲストが「うわー」などとウソ臭い奇声をあげて
そうして、でまかせの反中感情を煽りあげる。
https://youtu.be/2-cC3V__puk?t=1h1m23s

例えばだが、
旭日旗をふりまわす極右団体の写真一枚をとりあげて、それで「日本が中国を狙っている」などと本気で語る「日本の専門家」が、いったいどこにいるというのか。

地図の向きを変え、
「(中国が) 海にでたいと考えると、ちょっと場所的にも邪魔になる」といったゲストのコメントを誘導し、それで中国が沖縄を襲ってくるという根拠になるとでも ?

そもそも、尖閣・沖縄のコーナーで登場してきたこの「専門家」、野村修也とは誰なのか。

驚くなかれ。

なんと「商法」を専門にした法学修士で、大学に籍を置きながら (これ、司法試験に受からなくても弁護士の資格をとれるという昔のルート)、金融庁顧問やら総務省顧問やら、まあ実にさまざまな中央省庁のもとで数々の役を歴任してきた人物。②

特に有名になったのは、2012年の橋下市長のもとで市特別顧問を務め、大阪市全職員にたいして政治活動や組合活動についての思想調査アンケートを実施。③　アンケート本文に回答しない者は処分の対象となるとも書かれており、このアンケートの実行責任者である野村弁護士に対しては、思想・良心の自由を保障する憲法や使用者の支配介入を禁じた労働組合法ならびに憲法違反だとして、「弁護士としての品位を失うべき非行」を問われ、弁護士会に懲戒請求すらだされた。④

また福島原発事故の事故調査委員会でも主査を務め、「官邸 (菅総理) の頻繁な介入が、（東電の）指揮命令系統を混乱させた」などと、撤退を考えていた東電ではなく、民主党政権に原発問題の責任をすり替える報告書を作成した。⑤

要するに、野村氏は東アジア情勢の「専門家」でも、国際関係学の片隅にいる研究者でもない。

「ガバナンス」(組織管理・統制) を得意として各種省庁の御用委員を歴任し、朝昼晩とテレビにでては、政府側の言説を撒き散らかす「商法」で生き抜く「世論喚起者」にしかすぎない。

ここで考えていただきたいのは、こんな御用商人が、なぜ「尖閣」や「沖縄」の専門家として、視聴者の「世界が変わる」番組『教えてもらう前と後』に登場するのかということだ。

言い添えておくが、大学には対中関係を真剣に研究している「専門家」などいくらでもいる。が、そんなまっとうな研究者はテレビ番組にはメッタのことで呼ばれない。

政府の雑用係が「専門家」の振舞いで出向し、かくして排外主義しか撒き散らかさぬ醜悪な政治的プロパガンダ番組ができあがる。

こんな政府の御用商人を、あたかも東アジア情勢の「専門家」として演出させるテレビ番組を、よいしょの歓声とともに土曜日の昼間から見させられる時代の先には、何が待ち受けているのか。

そろそろ国民は本気で問いなおしたほうがよい、
日本のメディアはもうここまで堕ちている !

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① 『教えてもらう前と後』 -「出て行くのは沖縄県民」か !?
https://www.facebook.com/ospreyfuanclub/posts/646050932250618
② TBS 好評"知のビフォーアフター体験"バラエティの第2弾 - 教えてもらうと世界が変わる！ニュース､皇室､名画､東京駅の見方を専門家が徹底解説！
http://www.tbs.co.jp/program/mbs_oshietemoraumaetoato_20170204.html
③ 「商法」「会社法」「金融法」が専門の野村修也弁護士
https://www.kouenirai.com/profile/2933
④ 大阪市職員へのアンケート問題
http://civilesociety.jugem.jp/?eid=14078
⑤ これはヤバい憲法違反。思想調査と密告奨励のアンケート
https://box.yahoo.co.jp/guest/viewer…
⑥ 橋下の下手人・野村修也が国会事故調で東電原発事故の責任を「官邸の過剰な介入」に押しつけ
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20120610/1339291803