移住系沖縄ネトウヨ「岩名文衛」の主張を検証する ② ー沖縄本島の交通網ー

2016年12月18日

■ 移住系沖縄ネトウヨ「岩名文衛」の主張を検証する ② ー沖縄本島の交通網ー ■

本土から沖縄に移住してきた与那原町のウヨ歯科医、「岩名文衛」。

在沖米軍、特に米海兵隊と親密な関係を築く、ボギー手登根一味の1人である。

先日、このウヨ歯科医は、栃木県で起きた交通事故の画像が表示される記事をシェアし、沖縄県における交通事情に対する持論を「沖縄情報」に投稿した。岩名の投稿に交通事情の問題という点以外、文章とシェアされた記事の画像に関係性はなく、明らかな「印象操作」であることは既に指摘した。(「移住系沖縄ネトウヨ「岩名文衛」の主張を検証する ① 」https://www.facebook.com/ospreyfuanclub/posts/625025857686459 )

まず岩名は、歩道に乗り上げてポールに突っ込んだ自家用車の画像を読者の目に晒し、以下の文章で語りかける。

『沖縄県、多額の交付金もいつのまにかどこかに消え、戦後１１兆８千億円もの国からの補助金があるにも関わらず、モノレールも中途半端にしかないですし、交通ルールにしても飲酒運転25年？連続ワーストＮＯ１など、とてもじゃないが安心して車を運転出来る状態にはありませんね。』

この一文だけでも、岩名は沖縄が歩んだ歴史を知らないことが読み取れる。

約72年前まで沖縄に存在していた街並み、建造物、交通網、人びとの暮らしは、米軍による空襲、艦砲射撃、日米両軍による住民を巻き込んだ地上戦によって壊滅した。

沖縄本島上陸後に米軍は、日本軍が整備した飛行場を制圧し、来たる日本本土の攻撃に必要な出撃基地を整備し始める。

次に米軍は、日本軍の陣地や司令部が多く存在した沖縄本島南部へと向かうため、軍車両が通行するのに必要な道路を整備していく。米軍は、前線で日本軍を相手に戦闘し、後方で作戦遂行用のインフラ整備と民間人の収容を同時進行した。

何百年も存在していた集落や田畑は、爆撃によって既に焼失していたので、米軍の建設部隊による道路工事を妨げる障害物はない。さら地となった沖縄本島に「米軍用の道路」は容易に整備されていった。

「米軍用の道路」で代表的なものが現在の国道58号線である。本島西海岸を南北に走る道路だが、米軍はこれを「U.S. Highway 1」と名付け、沖縄県民は「1号線」と呼んだ。

米軍は、1号線を嘉手納基地周辺から南へと整備し、那覇軍港や小禄飛行場(現在の那覇空港)までのアクセスを確保していった。そして、嘉手納基地の滑走路北西の位置に「嘉手納ロータリー」と呼ばれたラウンドアバウト(環状交差点)を造り、沖縄本島北部と東海岸地域へのアクセスを確保した。

沖縄本島の国道58号線(1号線)は、現代の都市計画を基に造られたのではない。沖縄を訪れた観光客に海岸線を満喫して欲しいために整備されたのでもない。米軍が軍事作戦を遂行するために整備した軍用道路を引き継いで再利用したものだ。

戦後、収容所から解放された住民は、軍用道路の沿線や米軍施設周辺に住むこととなり、街は基地を取り巻くように再建された。その間も米軍は、基地と基地を結ぶ「米軍用の道路」の整備を進め、燃料の運搬に必要なパイプラインも敷いていく。

米軍が沖縄本島に敷いた数々の道路は、復帰後、日本の基準に合わせて造り替えられていく。その際、沖縄の将来を見据えた都市計画を基にインフラ整備が進められるが、米軍基地はいまだある。沖縄のインフラ整備が一気に進まないのは、米軍基地が妨げとなっていることや、インフラ整備のために立ち退きを勧告された住民や地主との交渉、掘り起こせば出てくる不発弾などの処理、米軍が投棄、埋蔵した兵器や廃棄物の除去、それらによる土壌汚染の処理、地下に埋蔵する文化財等の調査などなど、沖縄には様々な「特殊な諸事情」があるからだ。

ウヨ歯科医の岩名は、そのような背景や事情を知らない。いや、知ろうとしない。

本土の感覚だけを持ったまま沖縄に移住し、その感覚を基準に沖縄を批判する。見下す。悪質にも印象操作しながら偏見に満ちた主張を繰り広げ、自身の無知を世界中にさらけ出している。日本国は、よくもこんな人物に歯科医師免許を交付したものだ。

今後も、岩名の主張を検証していく。

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画像: 1945年8月頃の嘉手納ロータリー (https://ja.m.wikipedia.org/wiki/嘉手納町)、1964年4月に米軍戦車が通る1号線 (http://rca.open.ed.jp/history/story/epoch5/henkan_up/up05.html)

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