それでも、ヤジと怒号の違いがわからない人々へ - 県民葬で菅が代読した「弔辞」の内容とは。しかも玉城新知事との初面談で弔辞と同じ書面を読みあげる安倍首相。一体それで沖縄県民に誠意を示したと言えるのか !?
ああ、そうだ。
時として、
葬式には、
いろんなやつがやってくる。
故人を死ぬまで苛み続けた悪徳ブラック企業の社長が、つるりとした善人顔でやってきて、死人に口なし、とばかり、あたかも故人に責があるかのような、あきれるほどの大嘘を並べた弔辞をのべる。
また、知らん顔した殺人犯が、いかにも神妙な顔つきで参列者のなかに交じり、鮫の涙を流しながら、遺族の背中をさすることもある。
これはどうだ。わが子を自殺に追い込んだイジメ家族がやってきて、子どもの他愛ない冗談でこんなことになって残念だ、などと言い始めたら、どうだ。
ああ、これも実際に見たな。
センターラインを越えてトラックを暴走させ、対向車の運転手に衝突。そんなトラックの運転手が、わざと安っぽい服を着て通夜に。ふりむきざま、自分には金がないから金は払えない、などと言う。
遺族である妻は怒りで青ざめ、
親族は口々に「帰れ ! 」と怒号を浴びせた。
これはヤジなのか !?
- ( 1 ) 常識を語る前に、ヤジと怒号の違いぐらい知っておけ
- ( 2 ) 県民葬で菅が代読した安倍首相「弔辞」の内容とは
- ( 3 ) なぜ遺族の想いを思いやることができないのか
- ( 4 ) 翁長知事就任後四か月も面談拒絶し続けた菅が、通夜や葬儀にいそいそとやってきて、大嘘を語る
- ( 5 ) 県民葬の弔辞と同じ内容を読み上げる茶番、安倍首相と玉城新知事の初面談
( 1 ) 常識を語る前に、ヤジと怒号の違いぐらい知っておけ
<< 広辞苑 >> 野次とは、
第三者が当事者の言動を、大勢に聞こえるよう大声で非難し、からかう。また、一方を応援するのに他方の言動を嘲笑し、妨害する。
<< 広辞苑 >> 怒号とは、
怒り叫ぶこと
沖縄ヘイトのネトウヨだけではない。
葬儀でヤジはよくない、などと、大真面目に常識人ぶって語るが、ヤジと怒号の区別も知らないとは。
あれは、からかいや、嘲笑や、妨害の声なのか。
否。
県民の腹から出た、怒りの叫びだ。
しかも、なぜ葬儀の場で故人と遺族を大嘘で侮辱する行為を大目に許すことが美徳なのか。
黙って我慢しろ、
そんな思考停止の俗物が急増していて、この日本の物質主義を本気で危惧せざるをえない。
そう、まさに俗物主義とはこのことだ。
上にへつらい、下に横暴で、
物事の深層をみず、形式と権力に追従する。
日本の悪い習癖だ。考えることなく、「神聖な」「不可侵領域」を設定して押しつけ、「沖縄は我慢すべきだ」などと平気で言う。
しかし、
葬儀において
なによりも不相応なのは、
ヤジや、怒号などではない。
故人と遺族への許されざる侮辱である。
この日本は、
そんなことも忘れてしまったのか。
( 2 ) 県民葬で菅が代読した安倍首相「弔辞」の内容とは
悪政は日本語を歪める。
いや、日本語を歪めることで悪政が可能となる。
これほど空虚な欺瞞と虚飾に満ちた言葉を、
あなたは見たことがあるだろうか。
菅が代読した安倍首相の弔辞をここに記録しておく。
翁長前知事とは知事就任以前から、折に触れ、沖縄の発展について意見を交換してきた。沖縄の振興、発展に対する真摯(しんし)な思い、平和を希求する心が原点だったと推察している。文字通り、命懸けけで沖縄の発展のために尽くされた。
翁長前知事は、沖縄に基地が集中する状況を打開しなければならないという強い思いをお持ちだった。沖縄県に大きな負担を担っていただいている現状は到底是認できない。
政府としてもできることはすべて行う。目に見える形で実現するという方針の下、基地負担の軽減に向けて一つ一つ確実に結果を出していく決意である。
そして、これからも県民の皆さんの気持ちに寄り添いながら、沖縄の振興、発展のために全力を尽くす。
沖縄の発展にご尽力された翁長前知事の功績をしのびつつ、あらためてご冥福をお祈りする。
だいたい、文上の主体を隠ぺいした「沖縄県に大きな負担を担っていただいている現状は到底是認できない」という日本語は、そもそも文法的に崩れている。
文上の主語を補足するとこうなる。
「 (日本政府が) 沖縄県に大きな負担を担って「いただいている」現状は (日本政府は) 到底是認できない。」
そして、ひどい圧政を県知事と県民に強いてきた者が、それを「到底是認できない」といいながら、同時に、「これからも」県民によりそうなどと、そんな論理的にも倫理的にも破綻した言葉を、なんの良心の呵責もなく語る。
これが安倍政権なのである。
しかし俗物は
物事を深く考えることはしない。
あげくに、故人や遺族への侮辱に対し、声をあげれば、罰金が発生するなどと言いだすものまで登場する。
ネトウヨが、罰金ガーと言ってくる元ネタはここでしたか。
第692回「懲役1年!?沖縄県民葬で弔辞の菅官房長官にヤジを飛ばす。」
葬式では、故人や遺族を侮辱する行為こそが、遺族によって申し立てられるべきものだということも、
まったく無視の愚かしさだ。
( 3 ) なぜ遺族の想いを思いやることができないのか
俗物は、
人間の苦しみに共感する想像力もない。
ここで、故翁長氏の妻、樹子さんの言葉を引用したい。
何ですかこの3年間、冗談じゃないですよね、皆さん。政府は、しょっちゅう言う、「何の問題もない」と。
どこにいったい民主主義があるんですか?どこにあるの?私たちの自治権は?人権どこにあるんですか?それが何ともない事なの?冗談じゃないと3年間、怒り続けて参りました。
正直苦しいです。夫がいつも苦しい顔をしているのを見るのは辛い、女房は。
本当ですよ、あんなに明るくて、いつもいろんなことがあっても家に帰ってくるときには玄関先でそう言った苦しいのをおいて、ただいまって笑って帰ってくる人が、この3年間、笑わないんですよね。
いやー本当に必死に勉強しているんです、それなのに政府は言うことをコレッポチも耳を傾けてくれない、こんな苦しいこと、悔しいことはないです。
( 4 ) 翁長知事就任後四か月も面談拒絶し続けた菅が、通夜や葬儀にいそいそとやってきて、大嘘を語る
翁長知事が就任した後に上京し、数日ホテルで待機させた挙句、四か月も面談拒絶をしたことも有名な話だ。
それでいて、翁長知事の通夜になると、いそいそとやってきて「2人になると沖縄の発展について話し合いをよくした」と語る。
そもそも、就任したての翁長知事に待ちぼうけをくわせ、結局それから四か月半も面談拒絶したくせに、
— オスプレイ不安クラブ (@ospreyfuanclub) October 9, 2018
通夜となると、のこのこやってきて、「2人になると沖縄の発展について話し合いをよくした」などと、つるり顔で語る。
彼らの言葉は腐敗し、
既に何の意味もなさない。https://t.co/UtqAW3ZLDV
( 5 ) 県民葬の弔辞と同じ内容を読み上げる茶番、安倍首相と玉城新知事の初面談
それだけではない。
四か月も面談しないという汚らしい政権のやり方があまりに幼稚すぎると。
それで今回は、玉城新知事が就任して八日目に、安倍首相と面談となった。
それを、「政権側の誠意を示したもの」、と報道するメディアもあるが、お笑いである。
安倍首相は、
テーブルの上の紙を丸読み。
しかも、玉城知事もすぐに気がついただろう。
その内容は、
県民葬のあの場で菅が代読した
故翁長元県知事への安倍首相の弔辞、
そのままの文章だった !
RBC THE NEWS「玉城知事が安倍首相・菅長官と面談」2018/10/12 - YouTube
テーブルの上の「弔辞」をそのまま読む安倍首相。
この茶番に、菅もいささか引いている。
なぜ、東京にきてまで前翁長知事弔辞と同じ文面を聞かされなければならないのか。
とんでもなく失礼な話だ。
基地負担の軽減といいながら
県民の気持ちに「これからも」寄り添うといいながら、
崩れた言葉と
腐った政治、
これが沖縄に基地を押しつける
安倍政権の正体だ。
これは県民の怒号だ。
翁長元知事の言葉を忘れないために、もう一度、心に刻んでおきたい。「グスーヨー、負ケテーナイビランドー。ワッターウチナーンチュヌ、クワンウマガ、マムティイチャビラ、チバラナヤーサイ」(皆さん負けてはいけません。私たち沖縄人の子や孫を守るため頑張りましょう ! )