産経ブーメラン ⑤ 「米兵日本人救出デマ」検証第二弾、フェイクニュースの本当の闇とは - 傍観、両論併記、はては産経擁護にまわる本土のメディア

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さて、遅ればせながら後半編だ。

 

なぜこのシンプルすぎるほどの米軍美談デマが「デマ」であると確定するまで、約二か月。その間、名護市長選挙をはさみ、なぜ、これほどファクトチェックに時間がかかったのか。また誰がどうファクトチェックを担うべきなのか。

 

不安クラブの産経ブーメラン第五回目は、フェイクを培養する、日本の闇の部分も含め、検証していきたい。

 

< 前回までのおさらい >

 

< 産経の米兵日本人救出デマ検証、後編 >

 

  

< 沖縄自動車道多重事故の概要 >

12月1日午前4時50分ごろ、沖縄自動車道で、車6台が衝突する多重事故が起きた。

Yナンバーの普通乗用車を運転していた米海兵隊トルヒーヨ曹長が、前方の車と接触事故。車外に出て別の隊員の無事を確認、その直後、後方からきた米海兵隊2等軍曹(28)の運転する米軍公用貨物車にはねられた。曹長の男性は頭蓋底骨折などのけがを負い、意識不明の重体で、本島中部の病院に搬送された。そしてすぐさまサンディエゴの医療施設に輸送され治療中であった。琉球新報

つまり、米軍関連車両が二台も絡むこの事故で、このデマがデマであると最初に知る立場のは、もちろん、当事者と、彼らに直に接触できうる米軍関係者、そして警察である。

 

先回、我々が見てきたように在沖米軍12月19日の時点でこれがデマであることを認め、投稿記事を修正したうえで、「ご迷惑をおかけした読者の皆様、並びに関係各位に深くおわび申し上げます」という文言を付けくわえた。

 

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これでデマ確定 ! と思えた矢先、

 

ところが、だ。

 

沖縄ヘイトとカップリングになった、この米軍美談デマは、ここからとどまることを知らなかった。

 

メディア自らが裏取りも検証もなくデマを流すとき、情報環境は機能不全となり、既にブレーキは失われる。

 

 

(6) 12月21日、陸上自衛隊まで日本人救助デマにかつがれて千羽鶴儀式。それに在沖米軍が便乗する。← デマに舞い戻る

 

12月19日、米軍はデマを認め謝罪した、そう我々が確信した次の瞬間、とんでもなく理解不能な、不可解な展開がおこる。

 

12月21日、陸上自衛隊第15旅団が、「日本国民を助け出すという勇敢な行動」に対して、おおやけに祈りの千羽鶴を手渡し感謝の意を表すセレモニーを行ったのだ。

 

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この投稿は2月2日になって「日本人救出」の箇所を削除し修正されているが、ここでは、修正される前の陸上自衛隊第15旅団の魚拓をご覧なってもらいたい。

 

修正前 12月21日の投稿

 

魚拓 ➡ 陸上自衛隊 第15旅団 Japan Ground Self-Defense Force

【米海兵隊トルヒーヨ曹長の回復を願い】

12月1日明朝、沖縄県の高速道路にて車6台による多重事故が発生しました。現場に居合わせた第3海兵兵站群第9施設支援大隊のトルヒーヨ曹長は、高速道路上という危険な状態の中で、即座に横転した車内から日本人男性を救出しましたが、後続の車両に引かれ、重体となりました。自分の事を犠牲にしてでも、日本国民を助け出すという勇敢な行動に、私達は心から敬意を表します。現在、医師の看病のもと、トルヒーヨ曹長の容態はわずかながら良くなりつつありますが、回復までにはまだ時間がかかるようです。
今回、第15旅団の陸曹を代表して第51普通科連隊最先任上級曹長の平良准尉が、「第15旅団の隊員一人一人がトルヒーヨ曹長の少しでも早い回復を願って千羽鶴をおりました。どうぞ受け取って下さい。」と述べ、千羽鶴を彼の上司である第3海兵兵站群第9施設支援大隊ロペス最先任上級曹長に渡しました。また、那覇駐屯地曹友会会長の保良曹長は、「同じ国を守る同志としてトルヒーヨ曹長の勇敢ある行動に感銘を受けました。早期回復を願います。」と述べるとともに、海上自衛隊那覇基地上曹会及び航空自衛隊那覇基地准曹会から預かった、トルヒーヨ曹長に対するメッセージを第3海兵兵站群のグラハム最先任上等兵に渡しました。第3海兵遠征軍の陸曹を代表して第3海兵遠征軍マルケス最先任上級曹長は、「今回、トルヒーヨ曹長のために、自衛隊の隊員の皆さんが、このように素晴らしい心温まるお見舞いをしていただいたことを光栄に思います。」と感謝の言葉を述べました。

 

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そして、何事もなかったのように、当然至極の顔で千羽鶴を受け取る、海兵隊兵站部の直属の上司。彼こそはもっともこの事件の真実を本人から聞いて知っているはずの人間だった。

 

第51普通科連隊最先任上級曹長千羽鶴を渡す様子

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那覇駐屯地曹友会長が、海上自衛隊那覇基地上曹会、航空自衛隊那覇地准曹会から預かった、トルヒーヨ曹長に対するメッセージを渡す様子

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面妖な話ではないか。

 

もちろん交通事故にあった米兵の早い回復は切に望まれるべきものだ。

 

しかし、米軍は既に日本人救出話をデマだと認識し SNS で謝罪までしている。

 

なぜ、そのうえで、米兵が交通事故に巻き込まれたことで自衛隊から「勇敢な行為」を讃えられ、感謝されなければならないのか。

 

いったい誰が口裏をあわせ、

誰が嘘をつき続けているのか。

 

米軍か、それとも、

自衛隊も土壇場で口裏を合わせたのか。

 

少なくとも、米軍側は、真実を知りながら、真実を黙して讃えられ、千羽鶴贈呈儀式にのぞんだのだ。

  

三日前は、デマを認めて投稿を修正しておきながら、三日後には、ちゃっかりと「感謝祭」に出席し、相手に口裏を合わせ、デマに舞い戻った。

 

つまり、米軍側は、真実とフェイクの境界を濁し、曖昧路線で美談デマを否定しない方向に舵をとった。

 

在日米海兵隊 - 陸上自衛隊が沖縄高速道路で重傷を負った米海兵隊トルヒーヨ曹長の早い回復を願って千羽鶴を贈呈... | Facebook

また、那覇駐屯地曹友会会長の保良曹長は「同じ国を守る同志として、トルヒーヨ曹長の勇敢な行動に感銘を受けました。早期回復を願います」と述べるとともに、海上自衛隊那覇基地上曹会および航空自衛隊那覇基地准曹会から預かったトルヒーヨ曹長に対するメッセージを第3海兵兵站群のグラハム最先任上等兵に渡しました。

 

まさか高速道路で追突されたことが「勇敢な行動」と讃えられるわけはない。ここで、米軍は既にデマと知りながら、自衛隊に同調し、意図的に米軍美談デマに加担したのだ。

 

そうしてこのデマは年をまたぐ。

 

1月15日。自衛隊の業界雑誌「防衛ホーム」にもデカデカと記載される。

 

自衛隊ニュース 2018年1月15日発行

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あの名護市長選挙のさなか、洪水のように流された数あるデマでも、この産経デマは、米軍は悪くない、沖縄2紙は偏向だ、という攻撃パッケージとなり、最も政治利用されたフェイクニュースとなった。

 

(7) 1月30日、琉球新報がデマの壁を突き破る !

 

産経が世に放ったデマと沖縄メディア攻撃は、Yahoo! ニュースや楽天ニュースなどのメジャーなポータルを通してお茶の間に届けられ、ネットで激しく消費しつくされた。

 

そんななか、そのデマの壁を最初に突き破ったのは、あっぱれ、あの琉球新報である。

 

産経報道「米兵が救助」米軍が否定 昨年12月沖縄自動車道多重事故

2018年1月30日 11:56  琉球新報

  昨年12月1日に沖縄自動車道を走行中の米海兵隊曹長の男性が、意識不明の重体となった人身事故で、産経新聞が「曹長は日本人運転手を救出した後に事故に遭った」という内容の記事を掲載し、救出を報じない沖縄メディアを「報道機関を名乗る資格はない」などと批判した。しかし、海兵隊は29日までに「(曹長は)救助行為はしていない」と本紙取材に回答し、県警も「救助の事実は確認されていない」としている。産経記事の内容は米軍から否定された格好だ。県警交通機動隊によると、産経新聞は事故後一度も同隊に取材していないという。産経新聞は事実確認が不十分なまま、誤った情報に基づいて沖縄メディアを批判した可能性が高い。産経新聞の高木桂一那覇支局長は「当時のしかるべき取材で得た情報に基づいて書いた」と答えた。

 昨年12月9日に産経新聞の高木支局長は、インターネットの「産経ニュース」で「沖縄2紙が報じないニュース」として、この事故を3千字を超える長文の署名記事で取り上げた。「日本人運転手が軽傷で済んだのは曹長の勇気ある行動があったからだ」と紹介し、沖縄メディアに対し「これからも無視を続けるようなら、メディア、報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ」と断じた。

 同12日には産経新聞本紙でも「日本人救った米兵 沖縄2紙は黙殺」という見出しで、曹長の回復を祈る県民の運動と共に報じている。ネットでは県内メディアへの批判が集中し、本紙にも抗議の電話やメールが多数寄せられた。

 しかし海兵隊は現場で目撃した隊員の証言などから1月中旬、「(曹長は)他の車両の運転手の安否を確認したが、救助行為はしていない」と回答。県警交通機動隊によると、事故で最初に横転した車の運転手は当初「2人の日本人に救助された」と話していたという。

 海兵隊によると、曹長は意識を回復しリハビリに励んでいるという。産経ニュースはその後、曹長の回復や事実誤認については報じていない。

批判を受けて琉球新報は高木支局長に

(1)どのように事実確認をしたのか

(2)県警に取材しなかったのはなぜか

(3)沖縄メディアには取材したのか

の3点を質問した。高木支局長は23日に取材に応じ「当時のしかるべき取材で得た情報に基づいて書いた」と答えた。

海兵隊、投稿を訂正/「誤った情報の結果」

 事故は昨年12月1日午前4時50分ごろ、沖縄市知花の沖縄自動車道北向け車線で発生した。最初に左側の車線で追突事故が発生し軽自動車が横転した。追突現場の後方で停車した別の車に曹長の運転する車が接触し、さらに後ろから米軍の貨物車が衝突した。その後、後方から追い越し車線を走ってきた米海兵隊員の運転する乗用車に、路上にいた曹長がはねられた。

 米海兵隊第3海兵兵站(たん)群の英語ホームページ記事によると、曹長は接触事故後に現場にいた別の隊員に近づき無事を確認した後「自分の車を動かすよ」と言って離れた直後にはねられたという。

 在日米海兵隊ツイッターでは12月、曹長へ回復を祈るメッセージを送る県民の運動について発信する際に「多重事故で横転した車から県民を救出した直後に車にひかれ」と、救助したと断定した書き方をしていた。その後、このツイートは「多重事故で車にひかれ意識不明の重体になった」と訂正された。

 海兵隊は取材に対し「事故に関わった人から誤った情報が寄せられた結果(誤りが)起こった」と説明している。

<視点>事実確認を最重視

 本紙は12月2日付朝刊で事故の発生と曹長の男性が意識不明の重体で搬送されたことを報じた。インターネットの産経ニュースの報道後「なぜ救助を伝えないのか」という意見が本紙に多く寄せられた。

 続報を書かなかった最大の理由は、県警や米海兵隊から救助の事実確認ができなかったからだ。一方で救助していないという断定もできなかった。海兵隊は、現場にいた隊員の証言から「他の車の運転手の状況を確認はしたが救助行為はしていない」と回答したが、曹長が誰かを助けようとしてひかれた可能性は現時点でも否定できない。

 曹長自身も接触事故を起こしてはいるが、あくまでも人身事故の被害者であり、一時は意識不明に陥った。救助を否定することでいわれのない不名誉とならないか危惧した。

 それでも今回報道に至ったのは、産経新聞が不確かな「救助」情報を前提に、沖縄メディアに対して「これからも無視を続けるようなら、メディア、報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ」と書いたことが大きい。産経新聞の報道が純粋に曹長をたたえるだけの記事なら、事実誤認があっても曹長個人の名誉に配慮して私たちが記事内容をただすことはなかったかもしれないが、沖縄メディア全体を批判する情報の拡散をこのまま放置すれば読者の信頼を失いかねない。

 曹長の回復を願う家族の思いや県民の活動は尊いものだ。しかし、報道機関が報道する際は、当然ながら事実確認が求められる。最初に米軍側が説明を誤った可能性を差し引いても、少なくとも県警に取材せずに書ける内容ではなかったと考える。

 産経新聞は、自らの胸に手を当てて「報道機関を名乗る資格があるか」を問うてほしい。(本紙社会部・沖田 有吾)

 

いやあ、

今、再読しても、隙のない力強い反証記事である。

 

当初からこの産経・高木桂一の記事がフェイクではないかと言われていたが、軽々しくは反駁できない。傷ついた米兵に、産経以上のいわれなきデマや中傷を突きつけることは良しとしないからだ。

 

しかし、産経のフェイクニュースを看過できない点は、それが沖縄のジャーナリズムを意図的に傷つけ、どこかの百田が言ったように「二紙を潰さなければならない」という圧力を造成するものだった。

 

そして、情報のミスリードにより、沖縄の反基地運動の長い歴史と現実に対する偏見と憎悪を人々に深く印象付けるものだった。

 

(8) 1月31日、毎日新聞が「両論併記」

 

琉球新報の検証記事は、今読んでも一寸の隙もない素晴らしく力強い記事であると思う。しかし、その記事を本土のメディアはどのように受容したのだろうか。

 

毎日新聞は、自ら海兵隊や警察に取材する手間などかけず、産経新聞琉球新報と主張対立」と両論併記して、琉球新報の記事の力を削いだ。

 

名護市長選挙を目前に控え、おびただしく流されていくデマをカウンターすることに消耗された沖縄には、この記事があまりにも残酷な切り捨てとして受け止められた。

 

 

 

 

 

 

(9) 2月4日、名護市長選挙

 

そして、産経は沈黙し続けた。

 

時は、まさに名護市長選挙のさなか。

 

ありとあらゆるフェイクニュース醸造され、沖縄はまるで怒涛のように押し寄せるデマの嵐のもとで、体力だけが剥ぎ取られ疲弊する孤島のように思われた。

 

主に Line という SNS に頼る若者たちは、次々とそこに供給されていく真偽の怪しい情報に囲い込まれていった。

 

選挙メモ 名護市長選挙をデータで見る- Osprey Fuan Club

ほとんど無名の渡具知氏を応援するため、本土から先鋭の選挙プランナー数名が名護入り。最新の SNS 情報戦略 vs 昔ながらの足の選挙応援 の勝負は、圧倒的に優勢と思われた稲嶺陣営を徐々に根底から突き崩していった。それについてはまたいつか書きたいと思う。

 

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(10) 2月8日、渡具知氏の当確から90時間後、産経が謝罪し記事を削除。

 

名護市長選挙のすべてが終わり、そのおよそ90時間後、産経が記事の誤りを認め、謝罪した。

 

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沖縄米兵の救出報道 おわびと削除

2018.2.8 08:0 産経ニュース

12月9日に配信した「危険顧みず日本人救出し意識不明の米海兵隊員 元米軍属判決の陰で勇敢な行動スルー」の記事中にある「日本人を救助した」は確認できませんでした。現在、米海兵隊は「目撃者によると、事故に巻き込まれた人のために何ができるか確認しようとして車にはねられた。実際に救出活動を行ったかは確認できなかった」と説明しています。

 記事は取材が不十分であり削除します。記事中、琉球新報沖縄タイムスの報道姿勢に対する批判に行き過ぎた表現がありました。両社と読者の皆さまにおわびします。

 ◆検証 「危険顧みず日本人救出し意識不明の米海兵隊員 元米軍属判決の陰で勇敢な行動スルー」報道

 本紙は、昨年12月1日に沖縄県沖縄市で発生した車6台の多重事故に関する自社報道の内容を検証した。事故ではねられて一時意識不明の重体となった在沖米海兵隊のヘクター・トルヒーヨ曹長について「横転した車両から50代の日本人男性を脱出させた」と報じたが、再取材の結果、トルヒーヨ氏が日本人男性を直接救助した事実は確認されなかった。

 (経緯)

 昨年12月1日午前4時50分ごろ、沖縄市沖縄自動車道の北向け車線で、車6台がからむ多重事故が発生した。

 本紙那覇支局長は「トルヒーヨ氏の勇敢な行動がネット上で称賛されている」との情報を入手。救助を伝えるトルヒーヨ夫人のフェイスブックや米NBCテレビの報道を確認した上で米海兵隊に取材した。この際、沖縄県警には取材しなかった

 海兵隊第3海兵遠征軍からは12月6日に「別の運転手が助けを必要としているときに救ったトルヒーヨ曹長の行動は、われわれ海兵隊の価値を体現したものだ」との回答を得た。

 これを受けて、12月9日配信のインターネットサイト「産経ニュース」や同月12日付朝刊で、トルヒーヨ氏が横転した車両から日本人男性を救助した後、後続車両にはねられ重体に陥ったと報じ、あわせて、「琉球新報」と「沖縄タイムス」の地元2紙がトルヒーヨ氏の行動を報じていないと批判した。

 その後、琉球新報が救助を否定する米軍のコメントを1月30日付で報じたのを受け、再取材したところ、海兵隊第3海兵遠征軍から2月1日、次のような回答が文書であった。本紙記者とのやりとりは次の通り。

 --米海兵隊琉球新報の取材に対し「救助行為はしていない」と回答している。トルヒーヨ氏の事故現場での行動について、米海兵隊が把握している具体的な事実関係はどういう内容か

 「目撃者によると、トルヒーヨ氏は事故に巻き込まれた人のために何ができるか確認しようとした。手助けする前、北方面へ向かう車にはねられた。自分の車を後続車両のじゃまにならないように車道外に動かそうとしていたときだった。私たちの聞き取りでは、トルヒーヨ氏が実際に救出活動を行ったということは確認できなかった」

 「最初の現場報告では(日本人の)車両をトルヒーヨ氏が援助したということだった。後の報告で、彼自身がひかれる前に(日本人の)救出を完遂したということを確認することができなかった」

 --事故に対する見解を示してほしい

 「トルヒーヨ氏が車を止め、事故に巻き込まれた人の状況を確認し、手助けしようとしたことは、海兵隊が掲げる価値観の表れだ」

 沖縄県警は7日までの本紙取材に対し「(トルヒーヨ氏は)車道にいたところを後続の車にひかれた。何をしていたかはわからない。(日本人を)誰が助けたかはわからない」としている。
(男性側の説明)

 横転した車両に乗っていた日本人男性は2月2日、代理人の弁護士を通じ「米軍関係者に救助された記憶はない」と当時の状況を説明した。代理人によると、男性は自身に追突した車両の日本人運転手が助手席ドアを開けたので、自力ではい上がり外に出て路肩に避難した。

 警察と救急車に電話をした後、駆け付けた米軍関係者から「大丈夫か」と声を掛けられたが、この米軍関係者がトルヒーヨ氏かどうかは分からないという。

 トルヒーヨ氏の現在の容体は安定しており、米国内で回復のためのリハビリを続けているという。横転した車両に乗っていた日本人男性はトルヒーヨ氏の安否を気遣い「一日も早い回復を祈っている」と代理人に話している。

 ◆沖縄2紙の報道は

 昨年12月2日付「琉球新報」は事故について「最初の追突事故で横転した車の後方で停止した軽自動車に、Yナンバー車(注・米軍車両を示す)が接触し路肩に停車した。後方から来た米軍の公用貨物車が軽自動車に衝突後、中央分離帯Yナンバー車に接触した。Yナンバー車から外に出た米海兵隊員男性が、後方から来たYナンバー車にひかれた」と報じた。

 同日付の「沖縄タイムス」もほぼ同様に伝えた。両紙ともに「県警交通機動隊によると」としていた。

 この事故に関して産経新聞は、12月9日付の電子版「産経ニュース」と12日付の紙面で、曹長が横転した車の日本人運転手を救出した後に事故に遭ったと伝えるとともに、「勇敢な行動」とたたえた。また産経ニュースでは、琉球新報沖縄タイムスの地元2紙が曹長の行動を報じていないと指摘した上で「メディア、報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ」などと非難した。

 琉球新報は今年1月30日付で、米海兵隊が「曹長が救助した」とする産経の報道を否定し、県警も救助の事実は確認していないと報じた。沖縄タイムスも2月1日付で、海兵隊も県警も、救助の事実を確認できていないと伝え、産経の報道を否定した。

 ◆事故で横転した車の男性運転手の代理人弁護士が発表したコメント全文

 「依頼人の記憶によれば、事故直後、依頼人運転車両に追突した日本人ドライバーが、横転して運転席側が下になった依頼人運転車両の助手席ドアを開けてくれたので、依頼人が自力で這い上がって車外に出て、路肩に避難し、双方で警察及び救急車を要請する電話をかけた後、駆けつけた米軍関係者の方が『大丈夫か』と声を掛けてくださったということです。後続車にはねられてしまった方が、このとき声を掛けてくださった方かどうかについては、依頼人にはわかりかねるということです。

 依頼人としては、米軍関係者の方に救助された記憶はないということです。ただ、重体になられた方の安否をとても気遣い、一日も早い回復をお祈りすると話しております」

 ◆乾正人産経新聞執行役員東京編集局長

 昨年12月1日に沖縄県沖縄市で発生した車6台の多重事故をめぐる本紙とインターネットサイト「産経ニュース」の報道を検証した結果、米海兵隊への取材は行ったものの沖縄県警への取材を怠るなど事実関係の確認作業が不十分であったことが判明しました。さらに、記事中に琉球新報沖縄タイムスに対する行き過ぎた表現があったにもかかわらず、社内で十分なチェックを受けずに産経ニュースに配信、掲載されました。

 こうした事態を真摯(しんし)に受け止め、再発防止のため記者教育をさらに徹底するとともに、出稿体制を見直し、記事の信頼性向上に努めていく所存です。

 事故にあわれた関係者、琉球新報沖縄タイムス、読者のみなさまに深くおわびします。

 

しかし、あれだけのデマとヘイトを艦砲射撃のように差し向けられた選挙戦が終わり、それで、ごめんデマだったよ、削除します、といわれても。

 

遠い対岸の火事のように、デマとヘイトの沖縄戦を傍観、あるいは両論併記したメディアもどうなのか。

 

 

 

 

(11) 2月8日、BuzzFeed が、「産経を批判する側にもフェイクあり」記事。揚井人文氏 (GoHoo) の産経擁護論。

 

産経の謝罪記事がリリースされたその同日、日本報道検証機構 GoHoo の管理人である揚井人文氏が「産経新聞に対する事実に基づかない批判が横行」していた、産経は実際には「取材」していた、と産経を擁護。

 

しかし本当はどうなのか、検証した。

infocus.hatenablog.com

 

 

(12) 2月16日、産経が那覇支局長・高木桂一ら五人を処分。

 

 産経新聞は、昨年12月に沖縄県で起きた交通事故を報じた際、事実確認しないまま「米海兵隊員が日本人を救出した」との記事を掲載した問題について、執筆した高木桂一那覇支局長を出勤停止1カ月とするなど関係者の処分を16日付朝刊で公表した。高木氏は編集局付に異動した。

 小林毅取締役編集担当が減俸1カ月、東京編集局の乾正人執行役員編集局長が減給、ほかに記事の出稿に関わった編集局幹部ら5人をけん責とした。いずれも16日付。

 産経新聞の検証記事によると、問題となった記事はネット上の情報などを基に米海兵隊へは取材したが、沖縄県警への取材を怠るなど事実関係を十分に確認しなかった。社内のチェックも不十分だった。

産経新聞那覇支局長を処分 事実確認せず事故記事執筆 - 共同通信 2018/2/17 12:18

 

(13) 3月5日、産経デマを配信したポータルサイト Yahoo! が、異例の謝罪

 

 

確かに画期的なことである。しかし、これで一体何が変わったか? Yahoo! が、なにか具体的なフェイクニュース対策をこうじる動きにでただろうか?

 

いや、何も。

 

今回のデマが、例外的に米軍と自衛隊を煩わせたデマだったから、対応した、では困るのだ。

 

犬でもわかるようなフェイク記事、沖縄ヘイトとデマをカップリングした記事を、さんざん長年にわたって日本の各種のポータルサイトは配信し続けてきた。いわば、日本の沖縄フェイクニュースは、ポータルサイトが無批判かつ無料でお茶の間に届けてきたものだ。

 

uyouyomuseum.hatenadiary.jp

 

その対策はいまも何一つ進んでいない。

 

(14) フェイクニュースは弱者に対する情報の暴力であり民主主義の破壊である

 

いままで、我々は、この「米兵日本人救出デマ」のプロセスを織ってみてきた。

 

メディア自らが裏取りも検証もなくデマを流すとき、情報環境は機能不全となり、既にブレーキは失われる。

 

・産経ニュースによる生産

ポータルサイトによる拡散

・本土メディアによるデマの傍観

日本報道検証機構 (GoHoo) による産経擁護

・腫れ物をおそれる本土メディアの両論併記

 

なぜ沖縄フェイクニュースに本土メディアは対岸の火事のような傍観を決め込んでいるのか、デマは、デマを流された側が検証しなければならないものなのか。

 

いや、権力が一か所に何かを押し付けるとき、それが基地であれ原発であれ、かならずこのような汚い偽情報アタックが集中してとられていく。とくに選挙の時はなおさらだ。

 

日本のメディアは、多くのフェイクニュースというものは、弱者に対して押し付けられていく情報の暴力であるという事を、しっかりと認識してほしい。

 

そして、そのためにメディアが精力を傾けてファクトチェックすることは、すなわち、大きなものに収斂させ同調させようとする巨大な暴力から、小さなひとりひとりの存在を守ることなんだ、ということを理解してほしい。

 

日本のメディアにたいして希望を捨ててはいない。それどころか、可能性は無限にある。

 

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/264520

 

このデマは、手登根安則氏が盛んに SNS で書きたてたデマヘイト、それを下請けして記事にしたのが高木桂一だった。

 

また米軍は真実を知りつつも、わざとあいまいな態度をとり続けた。高木記者は沖縄ヘイトとミックスした米軍礼賛記事をよく書いていたが、奇しくも、その信頼できる米軍にすっかり梯子をはずされたことになった。

 

そうして産経新聞の五人が処分をうける事態になったにもかかわらず、

 

当の沖デマ、デマゴン手登根安則氏は、お詫びと訂正記事の産経記事の知らせに、こうコメントした (笑)。

 

産経お詫びと削除の記事をそっと投稿するメンバー浅村

沖縄情報公開グループ | Facebook

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潔いですね

最後までとぼけ続ける二紙とは大違いです。

by てどこん

 

いや、最後までとぼけ続けてるのは、デマキャンペーンを展開した手登根氏側と、知ってて曖昧にごまかし続けた米軍。

 

これでは処分を受けた高木桂一氏も、さすがに無念と思うに違いない。

 

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