送迎バス事件 ③ ファクトが産経フェイクニュースになる過程、そして情報難民ネトウヨの悲喜劇
2017年5月7日
まったくひどいはなしだ。
先日の県民大会。走行中のスマホ操作で問題となったバス運転手。その共同通信社の記事がひどすぎてフェイクニュース化してしまった件の続きだ。
例えば、ネトウヨの期待を裏切らないネトウヨ機関紙産経新聞の記事を見てみよう。
【普天間移設】「こんなに暇人が居るんだや(笑)」辺野古の護岸工事抗議集会「来たくねー」とツイッターに投稿 参加者送迎のバス会社謝罪 運転手は退職 - 産経ニュース
「こんなに暇人が居るんだや(笑)」辺野古の護岸工事抗議集会「来たくねー」とツイッターに投稿 参加者送迎のバス会社謝罪 運転手は退職
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先、名護市辺野古沿岸部の護岸工事着手に抗議する集会で、参加者を送迎したバスの20代男性運転手が「辺野古反対の奴らの送迎 こんなとこ来たくねーわ」などとツイッターに投稿していたことが3日までに分かった。
勤務先の同県恩納村の観光バス会社は事実関係を認めて謝罪し、運転手は退職したという。
政府は4月25日に護岸造成工事に着手し、抗議集会は29日に開催された。同社などによると、バスは労働組合が旅行会社を通じて手配し、読谷村職員ら約40人が乗車していた。
運転手は集会の様子をスマートフォンで撮影した上で「こんなに暇人が居るんだや(笑)」とも書き込んでいた。
「安易な気持ちでやってしまった」と話しているという。
さて、これは最後の緑色の部分を除いて、ほぼ共同通信社が配信したものと同じ内容である。
特筆すべきは、あの共同通信に、更に、「こんなに暇人がいるんだや(笑)」という言葉と、産経がどこかから持ってきた、何らニュースと関係のない写真が加えられている点だ。
走行中に運転手が撮った写真でもないし、当日の県民大会の写真ですらないのだから、どこまで別の話に作り上げるのか(笑)。
もう一度確認しておくが、
この報道記事には
① バス運転手が走行中にスマホ操作し写メ連写 ➡ 国の捜査となり、会社が謝罪、運転手は退職
ということはおろか、
② 業務中にツイート連打
③ 業務上のコンプライアンス違反
④ うるま市女性殺害事件の追悼もあわせた県民大会であったこと、
上のいずれの点、なにひとつ書かれていないのだ ( ゚Д゚) !
で、当然のことだが、情報貧困ウヨがブヨのように大量に湧きでてくることとなる。
まさに偽情報がデマやヘイトを生むとはこの事だ。
【基地反対派の悪口】を書き込むと退職に追い込まれる沖縄。沖縄で【表現の自由】は反対派だけのものらしい。全くもって馬鹿げている。 #沖縄 RT @Sankei_news https://t.co/ZTchM5lxRE #普天間移設 #辺野古
— 沖考 (@thinkin_okinawa) 2017年5月2日
そんな事で退職に追い込むほうが言論弾圧では?この運転手叩いた人達って普段は言論の自由がどうのって言ってそうなんだけどね。
— コジロー (@kojiro323) 2017年5月2日
辺野古集会「来たくねー」 参加者送迎のバス運転手が投稿 | 2017/5/2 - 共同通信 47NEWS https://t.co/BnpVNtIlSt
こんなんおかしいでしょ。これこそ発言の自由を奪っているしこんなだから失業率も貧困率も回復しないんじゃないの?
— milkplant De Broshen (@nikkiestale) 2017年5月2日
辺野古集会「来たくねー」 参加者送迎のバス運転手が投稿 | 2017/5/2 - 共同通信 47NEWS https://t.co/hjqL4LPTX1
そして、元国会議員なら少しぐらい背景調査してからツイートすればいいのに、ネトウヨを惑わすフェイクに惑わされる心の党の前議員、杉田水脈。
この運転手さんは何故退職に追い込まれたのでしょうか?訓告処分程度が妥当と思いますが。会社の大型顧客の機嫌を損ねたから?基地反対派が一体どのくらいこのバス会社の利益に貢献していたのかが気になります。 https://t.co/9E5h8a0kmw
— 杉田 水脈 (@miosugita) 2017年5月3日
@Sankei_news #ネトウヨフェイクニュース産経 には、バス運転手が「走行中にスマホ操作」、「業務中にツイート連打」という事件の核心はいっさい消去されてるな (笑)。フェイクにもほどがある。事象の背景調査もせずツイートする杉田水脈は笑止。フェイクに群がりデマとヘイトに踊るネトウヨのバカ踊りを見よ。
— オスプレイ不安クラブ (@ospreyfuanclub) 2017年5月3日
特に興味深いのは、自称「東村民を名乗る暴力男」であり「ニュース女子」地元民の依田啓示氏のタイムライン。
ここに紹介する依田氏のスレッドは、産経フェイクニュースに煽られ、騒ぎ、気づき、そして落胆する現代人の憐れを物語る悲喜劇 (tragicomedy)、まるで現代のフェイクニュース寓話のようなスレだ。
ご紹介したい。
( 1 ) 産経フェイクに煽られ騒ぐ
依田 啓示 - 情けないなぁ。 反対意見を一言言うのも許されないのでしょうか?... | Facebook
情けないなぁ。
反対意見を一言言うのも許されないのでしょうか?バス会社は、明らかに送迎の仕事の継続のために、運転手さんを退職に追い込んでいますね。
「ニュース女子」司会の長谷川さんの時もそうでしたが、過激派側が影響力を与えることができる東京新聞に対して、圧力をかけて、在籍する記者を降格させました。・・・過激派のみなさんが政権を取ったら、今のタリバン、アルカイダ、ISISなどイスラム原理主義者が行なっている弾圧と全く同じことをするでしょうね。
今回も、仕事を与えているバス会社に退職を強要したのは明白。
それでひとしきり、反対派はテロリストだー、反対派による言語弾圧だー、などと盛り上がるのであるが、誰かが、これは違法運転によるものだと言い始める。ざわつくスレッド。
( 2 ) 産経報道のおかしさに気づく ( ゚Д゚)
そしてなんと !
産経記事の真偽を確かめるために依田氏が持ってきたのは「沖縄タイムス」!
よりにもよって、普段から我那覇真子やらと一緒になって批判してやまない「沖縄タイムス」だから大爆笑だ !
我那覇真子が代表を務める右翼圧力団体琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会│ホームでは、今月5月27日と28日に「被害者」依田啓示さんを救おうキャンペーンを開催するらしい。
( 3 ) 産経と沖縄タイムスを読み比べる
依田氏が沖縄タイムスと産経を読み比べる。
ま、一目瞭然ですね。
運転手が走行中に撮影した写真まで証拠として挙げられている沖縄タイムスだ。写真には走行中であることを示すスピードメーターまでご映し出されている。
いっぽう、サンケーはどうだ(笑)。。。。
( 4 ) 「ネトウヨ得意のデマ」に撃沈
産経新聞とタイムスを読み比べてみれば火を見るより明らかだ。
依田氏でなくとも、みなが思うだろう。
運転中のスマホ操作、それが原因で問題視されているのは間違いないが、なぜ大切な点が産経ではまったく報じられないのか。
あたかも反基地派が「政治的圧力」でバス会社と運転手を追い詰めたとしか読めない、
そんな共同通信社と産経のせいで「ネトウヨ得意のデマ」と揶揄られるネトウヨ被害者が続出しているではないか !
被害者依田氏の言葉を、
「今、ツイッターでネトウヨ得意のデマと言われましたので、事実の取り扱いは慎重でありたいです。」
※ 【予告】さて、ネトウヨたちは「基地反対派が表現の自由を弾圧うー」と連呼しているが、驚くことなかれ、全国から動員をかけて、沖縄の言語空間と表現空間を歪めているのは、実はネトウヨたちのほうである。
次回は、ネトウヨ圧力団体に苛烈な動員をかけられる沖縄の芸術表現の現場を扱いたい。