根付けのような人間は・・・
2016年11月8日
沖縄では警察権力による不当逮捕が続いていますが。
芸術の秋です。
ということで今日は、あの高村光太郎の「根付の国」という詩を紹介したいと思います。
根付 (ねつけ) とは江戸時代など、帯から釣りさげた留め具の装飾品で、下の写真のような、デブコロンとした体系の物が多いようです。
ご主人様の帯に常にぶらさがってついて回ります。が実際のところは安っぽい装飾品、腰ぎんちゃくにしか過ぎないのです。
お上の帯にぶらさがって、にやにや、へいこら、ついてまわる根付。
思考の欠如を隠すための感傷主義。保身と自己顕示欲に満ちたプロパガンダ。だらしのない卑屈さと歪んだ精神の退廃。俗物主義。
そんな根付のような人間を彼はこんな詩にうたったのです。
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『根付の国』
頬骨が出て、唇が厚くて、眼が三角で、名人三五郎の彫つた根付の様な顔をして、
魂をぬかれた様にぽかんとして
自分を知らない、こせこせした
命のやすい
見栄坊な
小さく固まつて、納まり返つた
猿の様な、狐の様な、ももんがあの様な、だぼはぜの様な、麦魚(めだか)の様な、鬼瓦の様な、茶碗のかけらの様な日本人